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京都府下の某所、国道沿い。

まるで掘っ立て小屋。
「そば」の看板。

好奇心と同率の不安感が脳裏を埋める。どちらが勝つか――。
帰りも同じ道を通る。

行きは何度も見返しながらそこを通り過ぎた。
帰り。

不安感が少しでも上回ったなら、数百メートル先にあるガストだ。
何の不安もない。

ということは好奇心の方がほんの少し上回ったのか――。
心躍りがする。

立ち寄った。
本当に狭い。

本当に掘っ立て小屋。
L字型のカウンターにいすがいくつか。

そのなかではおじいさんひとりが切り盛りをしていた。
表の看板にあった「そばかゆ」、それに興味を持ち、
「どんなもの?」と聞いてみた。

「はっ?」と聞き返され、そのあと偉く不機嫌そうに
「なんだか解らん」と答えてもらえなかった。

「おじさんは、耳がずいぶん遠いんだ」
すでに「アリ様」が入った時からいた先客の男性がそう言ってくれた。

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「そうなんですか」と言い、もう一度
「そばがゆとはどんなものですか」とゆっくり、少し大きめに聞いた。

「ふつうのお粥がお米であるところ、そばの実で作った粥だ。
そば屋に行けば何処にだってあるだろう」

またもぶっきらぼう。
きっとこういう人なのだ。

時間がかかるよと言われたのでかまわないと答え、待つことしばし。
作っている最中、自分から話すおじいさんは、時折、笑みも混ぜ軽快だ。

人柄はよくわからない。
そばかゆが出てきた。なるほどそばの実だった。

おいしくいただいた。
そばを食べると――あるいはあのつゆのせいか――、

「アリ様」はコーヒーが飲みたくなる。
今度はコーヒーショップを探そう。

この店で充分――。おじいさんはこの店に立ち続ける。
結局、店の名前もわからず出てきてしまった。

威風堂々としておこう。
それだけの事



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秘密

comment iconコメント ( 2 )


通りすがりの見知らぬ飲食店に飛び込む・・
なかなか勇気がいりますな~
それもあまり見栄えの良いみせじゃない

「そばの実で作った粥だ」
難聴爺さんが教えてくれた

このもの言いは職人気質そのものかも・・

美味しかった!! これでいいのだ
又 立ち寄ってください

名前: 源氏蛍 [Edit] 2015-02-04 09:44

源氏蛍さま

収入の少ない「アリ様」は、エンゲル係数が高い
拠って高級魚や有名牛の料理は、舌に美味しくても偶にしか食べません。
舌も懐も一番美味しいのは、価格の安い魚介類・野菜類です。

名前: 有ストテレス [Edit] 2015-02-05 08:30

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